【読書】片手の郵便配達人 グードルン・パウゼヴァング(著)、高田 ゆみ子(訳)

2020年06月21日
読書感想 2
片手の郵便配達人 | グードルン・パウゼヴァング, 高田 ゆみ子 | Amazon 本の表紙には手紙を手渡す様子が描かれている

出版社は、ドイツや第二次大戦系書物が好きだとしょっちゅうお世話になるみすず書房。そして訳者もおなじみ高田ゆみ子さん。

この物語の舞台は、1944年のドイツの小さな村。主人公は、ロシア戦線で左手を失って帰還した17歳のヨハン。ヨハンは怪我をして故郷に戻ってきて、出征前に就いた郵便配達員をしています。周辺の小さな村へ毎日、晴れの日も、雨の日も、吹雪の日であっても、郵便物の配達・集荷に出かけます。

配達をしてまわる村の人はみんな知り合い。1944年はソ連が反撃に転じ、連合国は6月にノルマンディー上陸を果たし、ドイツの敗色濃厚とはなってはいるものの、この小さな村にはまだ戦争の足音は聞こえてきません。そんなのどかな地域での毎日の仕事風景、さまざまな村人とのかかわり、些細な会話、恋のおとずれ…そして迎えるドイツの降伏。戦争を生き抜いたヨハンでしたが、結末はまるで読む人を背後から銃弾で打ち抜くかのように突然、一瞬に訪れます。なんという不条理。でも、これは「戦争とはそういうものなんだよ」というパウゼヴァングのメッセージなのだと思いました。

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bon
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コメント2件

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yuni

時々読書会に参加しているのですが、以前、読書会ですすめられた本です。ぜひじっくり読んでみたいです。

2020年06月22日 (月) 19:02
bon

bon

Re: yuniさん

おお、読者の方にこの本に興味のある方がおられるかしら、と思ったらゆにさんが!結末をぼかして書いておいてよかったです。とても読みやすくてすらすら読めるので、ぜひ読んでみてください。
読書会ってすてきですね。本の感想を言い合えるなんて楽しそうです。

2020年06月22日 (月) 21:03